アイドルをプロデュースする側がこのように「ファンとアイドルの関係性」をMVにするという、
業界的にはタブーに挑戦するようなMVで様々な憶測が飛び交っていますが、あなたはどう考察しましたか?!
side.Bの終わりはside.Aの始まりでもある。
2面性をカセットテープに見立てたMV。
明らかになる真実!
では、さっそく解説していきます!
実は誰も居ない廊下
居たはずのメンバーが存在していない?!
side.Bのスタートは学校から始まります。
メンバーが走り抜けた廊下。
教室で踊るメンバー。
ヒスが常に一緒だったメンバーが存在していないことを次々と映し出す映像が流れます。
え。
ホラー感が半端ない・・・
クラスメイトにはメンバーは見えない様子。
みんなから少し呆れ顔で見られていしまうヒス。
こちらのページに先に来てしまった方は、side.Aの考察を先にチェック!
ヒスが悩んでいるのをメンバーが囲んで慰めていると。。。
あの男の子がヒスを気にかけている!
メンバーが泣いている?ヒスを気遣っている映像に切り替わります。
物語の流れからすると、ヒスはクラスで浮いていた存在だったとも考えられます。
メンバーが実際にはいないと考えると、ヒスは常に「ぼっち」だったのかもしれません。
校舎の上からヒスをいつも気にかけている男の子がヒスに気づきます。
心配そうに見詰める男の子・・・
男の子にはメンバーは見えないのでヒスが一人泣いているように見えたかもしれません。
男の子の視線に気づいたヒスは走って一人でその場から逃げていきます。
Side B ではその男の子との距離感の変化がクローズアップされていきます。
朝の登校時に目が合う男の子をレンズ越しに見るヒス
実は重要な伏線シーン
この男の子が朝登校するシーンはSide Aにもあります。
ヒスはいつも屋上から男の子の登校を見ていたのかもしれませんね。
ヒスと男の子がお互いに気になっていることがこのシーンで伝わってきます。
side.Bではカメラ越しにヒスが男の子と視線が合う瞬間があります。
ヒスがビデオカメラで男の子を撮ろうと意識して撮影しています。
この行動でヒスの男の子への気持ちがハッキリとわかる伏線のようなシーンです。
なんか中高生の頃ってこういう経験ありますよね!
お互いに気になってることに気づいている感じがもどかしい!
歌詞の中にある「아침은 너무 멀어/朝はは遠すぎる」
というフレーズが何回も出てきます。
朝が遠い・・・朝が待ち遠しい、朝の登校時間を待ちきれない!という意味合いにもとれませんか?!
メンバーが夜の公園で楽しそうに踊っているのを眺めるヒス
明らかになる真実。。。
メンバーのダンスを見ていますが、いつもと様子が違うことに気づきましたか?
ヒスとメンバーとの距離は遠く、
いつも持っていたビデオカメラ越しではなく、
肉眼で見つめています。
時々自分がレンズ越しにみていたメンバーの映像と対比されます。
そして、ギプスを見るとside.Aでメンバーが書いてくれていた励ましの言葉が消えています。
このシーンではヒスとメンバーとの距離感はファンとアイドルの見えない境界線をイメージしているとも言えるかもしれません。
カメラでメンバーを撮影していないこと=現実としてそれを受け止めていることを意味していると考えられます。
メンバーはヒスの存在に気づかない様子で自分たちだけでダンスを楽しんでいます。
時々現実と過去のダンスのシーンがリンクしながら映し出されます。これはヒスが現実を見ながら過去を思い返しているのかもしれません。
6番目のメンバーとしてではなく、客観的にメンバーを見ているヒスのギプスからは落書きが消えています。
ギプスのメッセージにはヒスがファンであることを意味する”バニーズ”に似たワードが書かれていました。
バニーズが消えた=ファンではなくなったとも捉えられます。
残酷なことに、ヒスが居なくなってしまってもメンバーはいつもと変わらずに楽しく踊り続けるのです。
メンバー視点からの解釈はヒス(ファンの一人)がいなくなってしまっても、
アイドルはいつもと変わらずに活動を続けていかねばならないという意味も含まれていると考えられます。
いつもメンバーを撮影していたビデオカメラで男の子を撮影したことをきっかけに
アイドルへの熱が冷め現実を見るようになったとも考えられます。
ビデオカメラを屋上から落として壊すヒス
大人の階段を登るヒス
ヒスは一人で屋上に向かいます。
そしてメンバーをずっと撮影していたビデオカメラを自分の意志で屋上から落として壊してしまいます。
わざわざ階段を上に登るシーンを入れたということはヒスの成長を表しているとも考えられます。
ヒスは成長と共にメンバーのファンを卒業することを自分で決めた(推し活をやめるということ)ようです。
何も映らないテレビ
ヒスの見つめる先にメンバーは存在しない。
ビデオカメラを壊したことで、メンバーの映像が見れなくなったテレビが映ります。
そしてそれを理解したかのように踊るメンバーの姿。
今までの元気でエネルギッシュな動作とは明らかに雰囲気がことなります。
雨の中を一人で傘をさしてあるいていくヒス
ファンを卒業したヒス①
そしてメンバーが心配そうに見つめる雨の中、
ヒスは傘をさして一人歩いて帰ります。
ヒスはメンバーの存在に気づかない素振りで一人傘をさして歩いていきます。
これはメンバーと一緒に悲しみを乗り越えなくても自分だけのチカラで悲しみを乗り越えて行けるようになったという成長を表しているようにも感じます。
残されたメンバーはヒスを見送っていますが、
その表情は心配そうにも、悲しそうにも見えるます。
アイドル側の視点からも、ファンと一緒に悲しみを乗り越えることが出来なくなった複雑な心情を表しているのかもしれません。
携帯に着信があるけれど出ないヒス
ファンを卒業したヒス②
ヒスの携帯にメンバーからの着信があります。
ヒスはあえて出ようとはしません。
これはおそらくファンサイトからの配信やメルマガなどをイメージしていると考えられます。
それを頑なに無視するヒスの姿からファンには戻らないという強い意思が伝わってきます。
学校の廊下に鹿が現れる。
後ろ姿の男女は誰?
今度は学校に鹿が現れます。
ヒスが鹿を悲しそうに見つめるシーンが入ります。
注目すべきはその次のシーンではヒスが男の子と並んで歩いていることです。
その二人が歩いている道はかつてメンバーと雨の中歩いた道。
それを見届けたかのようには鹿は去っていきます。
鹿は神秘的な物の例えにも使われますがこの場合はメンバー(アイドル)のメタファーと考えます。
今までは友達のように距離の近かったメンバーが鹿として現れたことはメンバーとヒスの距離感の変化を表現しているのかもしれません。
side.Aで鹿が出現した時もその後に一緒に昼寝していたメンバーが消えています。
友達のような存在のアイドルが、距離を取ることでより違う世界の存在になったと印象づけているように感じます。
また、鹿には再生するという意味もあるので
ヒスが新たな一歩を踏み出すことを暗示しているのではないでしょうか?
後ろ姿だけですが、これは明らかに”ヒスとあの男の子”だと予測できます。
ヒスがずっと夢中になっていたメンバー(アイドル)から卒業し、自分の新たな世界を歩んで行くまでの道のりを描いた青春と成長のMVとも捉えられます。
このMVの中ではアイドルとファンの関係性以外にもタイトルと歌詞の内容から読み解くことができます。
ずっと気になっていた男の子との恋が叶ったダブルストーリー仕立てになっているのではないでしょうか?
大人になったヒスが思い出のビデオを見る
色褪せない思い出。
ドアが開くと大人になったヒスが登場し、
思い出の箱を開けビデオを取り出します。
テレビに映し出されたメンバーは昔と変わらない姿で「ヒス、久しぶり!」
と友達だったあの時のように親しげに話しかけ、また自分の部屋に昔のように遊びに来てside.Bが終わります。
大人になりアイドルのファンを卒業しても、あの頃を思い出せばメンバー(アイドル)はいつでも色鮮やかにあの時のまま心の中に存在していると解釈できると思います。
まとめ
このMVが伝えたかったことを個人視点
好きなアイドルの推し活をする。
今の時代好きな推しがいない人を探す方が大変なのかもしれません。
それほど”推し活”が当たり前の時代になりました。
「ファンもアイドルも永遠には続けられないもの」
「どんなに近くに感じても別次元の存在」
”推し活に終わりが来る”ということは暗黙の了解ですが、なんとなく裏切りのように感じてしまうから
そういう話題は口にはできない空気があるのも事実ではないでしょうか?
これはアイドルでなくても何かにハマったことがある方ならば誰もが経験することかもしれません。
どんなに最高の時間も、
誰もがずっとそこに留まることができず、
成長と共に通り過ぎていくけれども心の中では鮮やかさを失わない。
青春時代のかけがえのない思い出。
ファンも、アイドルも
成長過程の「ひとつの時代」なのだと
若い世代は共感し、
大人世代はそんな時代もあったなぁと
思い出させてくれる”エモい”MVでした♡
だからこの「Ditto」は、透明感の中に心踊るような
リズム感があるのに、どこか切なさも感じられるのかもしれないですね。
切なさと同時に”大切な思い出は永遠”という
ポジティブなメッセージ性を感じる素敵な作品に
すっかり魅了されてしまい記事まで書いてしまいました!
この曲を好きになった方とMV考察を共有できましたらとても嬉しいです。
最後までお付き合い頂いた方、ありがとうございます
二次元推し活している方に向けた記事も書きましたので、
興味があればぜひお立ち寄りくださいね!