性別違和と発達障害(ASD)は関係がある? Xジェンダーに多い理由を解説

ASDの性別違和は定型発達の人より5倍も感じやすい。性別を明らかにするジェンダーリビールケーキとの対比。
目次

定型発達の人より5倍以上性別違和を感じやすい?!

一般的な定型発達の人が性別違和を感じる割合が1%〜2%に対して、ASD傾向の人は5%〜15%。
(出典:van der Miesen et al., 2016、Strang et al., 2014〜2020、Glidden et al., 2016)

発達障害と性同一性の課題
性別違和と自閉スペクトラム症の併存発見のためのスクリーニング手法に関する研究

ここで書く内容は当事者である自身がモヤモヤしていることを調べた結果、統計的な傾向であり「ASD=性的マイノリティになる」わけではありません。

ASD(自閉症スペクトラム症)とは?

ASDの気質とは?神経発達症、

わかりやすい特徴

脳機能の偏りから物事が自分視点でしか見えない、相手の気持ちを察するのが難しい。
そのため対人関係に困難を抱えやすい。

興味や好みが狭く深い、こだわりが強くオタク気質。
神経発達のアンバランスから感覚過敏や鈍麻になりやすい。

知的障害が無い場合、定型発達とASDの明確な境界線があるわけではなくグレーゾーンが存在している。
他のADHDやLDなどの発達症と併発することも多く、症状も人により様々。
参考:武田薬品 ASDってなに?

武田薬品 
成人期のASD(自閉スペクトラム症)の
自己記入式症状チェックリスト(RAADS-14)

ASD傾向があると性別違和を抱きやすい理由

ASD傾向だと性別違和を起こしやすい理由、ピンクと水色のシンボルカラーでトランスジェンダーを表現

”みんなの普通と違う”のが自分の普通だから

幼少期より特定のこだわりが強く他人との共感より自分の好みや考え方を優先する。
性別による「男らしさ・女らしさ」という社会的・文化的枠組みにとらわれない。

”性別”に対するこだわりや白黒思考で性別迷子に

白黒思考で物事を捉えるので、男女の枠に当てはめにくい自分の性別に悩む。
自分の性別について深く考えすぎたり、こだわりから男女二元論に当てはめられない。
逆に自分の性別に対する意識が薄かったり無頓着で身だしなみに気を使わない場合もある。

”自分という意識”が身体感覚を上回る

一般的な人よりも感覚のバランスが悪く過敏と鈍麻が共存しているため、
身体の性別を意識するパーツと心がリンクしずらく性別違和を感じやすい。
思春期の身体の成長や変化に違和感を抱きやすい。

定型発達の人が性別違和を感じにくい理由

ピンクと水色でトランスジェンダーを表現、定型発達の人が性別違和を感じる理由

定型発達とは?

ASDやADHDの人が神経系統の発達がアンバランスであるのに対してバランスよく発達をしている。
空気を読んだり相手の気持ちを察することができ、コミュニケーションが円滑にできる人。

定型発達の人は「みんなと一緒」であることに安心する人が多い。
社会的なルール規範や性別役割に対する期待に適応できる。

こだわりが比較的少なく、気づきにくい

そもそも自分の生まれ持った性別に疑問を抱く機会がない。
感覚過敏や鈍麻が少なく、バランスがよいので身体的な性別違和も感じにくい。

社会的な同調力が高く、性役割を受け入れやすい

社会的な期待や性役割を「空気を読んで」受け入れやすい。
ジェンダー規範に多少の違和感があっても適応しやすい。
「みんなと同じでいたい」「受け入れられたい」という意識が強い。

抽象的、曖昧な感覚に柔軟で、白黒はっきりさせない

物事を白黒させずに曖昧さを受け入れられる柔軟さがある。
ジェンダーに違和感があっても自分の中にうまく収めることができる。

まとめ

ASD傾向があると、その特性から性別違和を感じる確率が高くなりやすい。

①こだわりの強さ
②白黒思考
③社会的、常識的な枠に当てはまりにくい
④感覚過敏と鈍麻

定型発達の人はそもそも自分の性別に疑問を持つ機会がないことが多い。

定型発達でも誰もが何かしらの発達のばらつきを持っているため、ASD傾向を持つ人と
定型発達の人の境界線はグラデーションになっている。

どちらのほうが良い悪いではない。
それぞれが持つ特性から性別違和を感じやすかったり、感じにくいあるいは気付かない。

性別違和を感じているASD傾向がある人は、その特性から社会的に生きづらさを感じることが多い。

そんな生きづらさを少しでも軽くできる場所にしていけたらと思います!

当事者体験談「ASD傾向がある私の性別違和」

より詳しい情報が気になった方はプロフィールにお立ち寄りくださいね!

性別違和のきっかけ

子供の頃に自分が好むものと、与えられるものが違うことに違和感を覚えたのが最初。
小学生低学年の頃、学校のガラスに写った女子の姿をした自分に嫌悪感を持った。

何に違和感を持つのか?

自分が思っていた自分(性別)ではないこと
女の子の服を着ている自分が恥ずかしい
立ったまま用を足せないことの不甲斐なさ

思考スタイル

幼少期はなんで自分は男の身体じゃないのか親を責めたこともあった。
”本当の男の子”にはなれないと悟る。
”オトコオンナ”みたいな状態が嫌になる。
現在はどのような格好をしても自分だと感じられれば良い。



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