『光が死んだ夏』12話考察
アニメ『光が死んだ夏』、最終回まで見届けた皆さん、お疲れ様でした〜
あのラストシーン、原作アニメ化を限界突破した”映画クオリティの神最終回”過ぎて、腺崩壊どころか、感情がぐちゃぐちゃになった人も多いんじゃないでしょうか?!
「第二期制作決定」の特報ビジュアル・PVも公開されて益々待ち遠しいですね!
今回は、第二期の内容にも重要な伏線になる最終話タイトル**「居場所」**に隠された深い意味を、どこよりも踏み込んだ視点で丁寧に考察していきます。
この記事を読めば、第二期を誰よりも深い視点で楽しめること間違いなし!
実はホラーの皮をかぶった「アイデンティティ」の物語

「光が死んだ夏」は、青春のエモさと不穏な不気味さが絶妙なバランスの怪異的青春ホラー。
この作品のホラー要素以外にみなさんが惹き込まれる理由は、ホラーの中にある深いテーマ、
**「ヒカルとよしきがアイデンティティ(自分らしさ)を探す物語」**に魅力を感じる人も多かったのではないでしょうか?
そして最終回、「ヒカルの隣」にこそ、**よしきが社会の中で見つけられなかった自分だけの「居場所」**があったんですね。
2期の放送が待ちきれない今、この「居場所」の持つ意味を掘り下げてみます。
最終話 この作品で一番大事なのが「居場所」なのはなぜ?
最終話のタイトル**「居場所」**。
これは、作品のテーマを象徴しています。
なぜ「居場所」なのか?それに大きく関係してくるのが”クィア”というワードです。

クィアの意味を深堀り!

よしきにとって社会的な規範がしんどい理由
作中で描かれるクビタチ村は、田舎特有の**「閉じた世界」であり、「こうあるべき」という「社会的な規範」**が強く存在する場所。

画像引用 ©モクモクれん/KADOKAWA
「光が死んだ夏」制作委員会
4話の回想シーンでよしきは光に「同性愛者は病気ではない」と否定し「この村は狭すぎてよう息もうまくできやん」と言う場面。
その表情から、他人事ではない苛立ち、同族嫌悪から来るホモフォビア(同性愛嫌悪)を抱えるよしきの複雑な心情が伝わります。
セクシュアリティを匂わすだけなのはなぜ?
光を特別に意識している描写はあるものの、第一期中よしきのセクシュアリティは名言されません。
「自分が異性愛者ではないと気づいてしまった」にも関わらず、よしきは頑なに認めるようとしない。
よしきが抱える「光への特別な感情」は、その規範の中では決して素直に表に出せない感情なのです。
性的マイノリティ=普通ではない自分=”クィア”であるよしき。
本当の自分を隠して日常を過ごすよしきの気持ちと”視線を遮る長い前髪”はよしきの気持ちを表しているのかもしれません。
あなたは悩んだことない?

第1期は「よしき視点」の物語?
所々で登場する原作漫画には無い”前髪”画角。
視聴者がよりリアルに”よしき視点”を体感できる描写に変更されていましたね。

画像引用 ©モクモクれん/KADOKAWA
「光が死んだ夏」制作委員会
2話のヒカルが中身を見せるシーン。
直視するのをためらう視線からよしきがこの時点では”光”の上裸として意識しているのがわかります。
ヒカルの悪ふざけに対して咄嗟に手を振り払ってしまう___動揺がバレないよう強がるセリフを吐き嘲笑うも、ヒカルの目を直視できないよしき。
よしきの複雑で繊細な気持ちをより深く解釈した映像と、声優さん(小林千晃さん)の力量を感じられる印象的なシーンの1つです。
「ヒカルの隣」はよしきにとって、どういう場所なのか?
よしきにとって、**人間ではない「ナニカ」つまり「異形」**であるヒカルは対局にいるメタファー的存在です。
- ヒカルは人間の常識や規範を持たない。
- だからこそ、よしきがどんな感情を抱こうと、ありのままの「ヒカル」として隣にいてくれる。
よしきが「異形」と共にあることを選んだのは、社会(村)のルールから逸脱した自分の感情を、ヒカルだけは否定しないと知っていたから。
恋愛ではなく”社会的に普通という枠から外れた2人”にとっての居場所を見つける物語でもある、
モクモクれん先生が言う、この作品が**「ロマンスではないクィアの話」**という理由です。
よしきとヒカルの「歪んだ愛」クィアな視点で読み解く関係性
よしきのヒカルへの感情は、「BL(ボーイズラブ)」と捉えられることもありますが、本質はもっと複雑。まさに**「カテゴライズの不能性」、つまりクィアな葛藤**です。

「同性への好意」から「ナニカへの執着」へ
- 光(オリジナル)への片思い: 社会的な規範の中で押し殺さざるを得なかった、同性の親友への「好き」という感情。
- ヒカル(ナニカ)への執着: その「好き」の対象が「光の姿をしたナニカ」にすり替わったとき、よしきの感情は「愛」とも「依存」ともつかない、**「異形への執着」**へと変貌していきます。
「見た目は光なのに、中身はナニカ」
よしきの心は、このパラドックスによって、「好き」という感情を定義できなくなるわけです。

画像引用 ©モクモクれん/KADOKAWA
「光が死んだ夏」制作委員会
第9話ではヒカルが中身を見せる際に、”光の身体”を見て動揺した様子から、よしきが光に抱いていたのは特別な感情なのか確認する。
見透かされたよしきはショックを受けるが、光はもう光ではなくなったことで、よしきの特別な感情は違う心地よさに変わっていく。
「こんな感情はお前にはわからんでええと思う」「俺らには俺らのだけのもんがあるだろ」「別になにかにあてはめやんでええ」からも読み解けます。
それでも、「光だった」という記憶と、「自分を受け入れてくれる」ヒカルを手放せない。
この**「どっちつかずの、強烈な感情」**こそが、よしきのアイデンティティの核となるわけです。
この名状しがたい関係性の”光とヒカル”というキャラ設定や、関係性の心理描写、セリフが本当に天才的な作品なんですよね。
ヒカルの「非人間的な愛」がすべてを受け入れる
ヒカル(ナニカ)のよしきへの感情は、人間の恋愛規範やジェンダー規範とは無縁です。
人間の見た目をして自我を持ち始めたヒカルも、もう一人のクィアであると言えるかもしれません。
ヒカルは「愛」や「好き」を理解していませんが、自分を人間として扱い、手放さないよしきに強い執着を持っています。
「絶対的な受容」という名の愛

ヒカルは、よしきが「人間社会」で抱える孤独や葛藤に関係なく、**「ただ、よしきが自分の隣にいること」**を求めます。
これはよしきにとって、**「自分の姿、自分の感情、すべてを問答無用で受け入れてくれる」という、究極の「絶対的な受容」**を意味します。
よしきは、人間社会では「普通」になれないかもしれない。でもヒカルの隣では、「普通」というルールに縛られない「自分」でいられる。
ヒカルの「非人間的な愛」は、よしきのアイデンティティを肯定する唯一の光だったわけです。
第二期予想 居場所を守るために【ネタバレ】 アニメの続き漫画何巻?
原作の5巻の終盤から6巻の冒頭部分の内容が、アニメの最終回部分に相当するので、アニメの続きを先取りした人は6巻からの購入をオススメします!
第二期は現在発売されている原作6巻、7巻以降の内容になります。冬頃?発売される8巻の内容は公式から一部無料で読めますよ!下記リンクあり!

画像引用 ©モクモクれん/KADOKAWA
「光が死んだ夏」制作委員会
アニメ第二期と原作6巻の内容どう変わる?
6巻前半のセリフが最終回にミックスされているので、第二期がどんなスタートなのか気にしている人も多いのではないでしょうか?
竹下良平監督の素晴らしい改変で、映画クオリティの夕日の映える海を背景にドラマティックな最終回・・・泣いた涙。
大きく変わった原作にない場面は大きく3つ。
①海での取っ組み合い合いシーンはない。
②よしきの心情投影のシーンはない。
③田中は浮き輪を拾わない。
原作6巻では田中がすぐに出てきて、三人でカフェでお茶をしながら今後のことを話す。帰りの電車でよしきの心情シーンになり、ヒカルを山に返したくないのは自分のエゴだと気づくという流れです。
この辺りがどう変わるのか気になります!
逆転現象が起きた2人の関係性はどうなる?
アニメ版でより明確化した2人の関係性。
ヒカルは子供扱いされ、頭をぐしゃぐしゃされている描写を度々見かけましたよね。
___よしきは自分をヒカルに重ね、ヒカルを救うことで自分を救おうとしていた___
ヒカルとよしきの立場はいつの間にか逆転していきます。最終回の海で取り乱しヒカルにすがりつくシーンでは、ヒカルがよしきの頭に手を置き「よしきのほうがガキやな」というセリフで終わります。

「村の因習と災厄」と「落し子(ヒカル)の秘密」
第2期では2人の関係性以外の要素が本格的に動き出し、ホラー感が格段にアップします。
- 村の因習と災厄:百姓の首の「穴」を閉じる決意をするヒカルとよしき。田中と朝子。
- タナカの目的:落し子=ヒカルを巡る外部の人間(企業など)の介入。
よしきがヒカルとの共存を選び、**「自分のアイデンティティ」**を確立した先に待ち受けるのは、「村の因習と災厄」だった___
『光が死んだ夏』
未発売8巻の最新話が無料で見れる!
ヤングエースUP公式HP
7巻までは災厄との戦いメイン。8巻にはいよいよ「落し子」=ヒカルの秘密が明きらかにされていきます。
第二期の重要人物は・・・
ヒカルと混ざり始めたよしき___
村の男三人衆の決断。
光のお母さん実は知ってる説
お父さんらしき”作業着を着た人物”がキーパーソンになりそうです!
▶︎▶︎ 第二期につながる2人の結末を意味する?!最終回の伏線とは?次の記事で徹底予想! 作成中です!
