LGBTからLGBTQ+に変わったけど、
何が違うの?
「Q+」当事者がわかりやすく解説していきます!
この記事でわかること
クエスチョニングってどういう意味?
クエスチョニングとクィアはどう違う?
クィアって結局なに?
クィアとノンバイナリーは同じ?
ジェンダー・アイデンティティとは?
LGBTがよくわからない人向け解説
セクシュアル・マイノリティ(セクマイ)ってなに?
日本語でいうところの性的少数者=LGBT
この「性的」には2つの意味があるんです!
そもそもこの世界は、
①身体的性別と性自認が同じで、
②異性を愛することが普通であり常識である
という性に対する考えが前提としてあります。
つまり・・・
1つ目に。この世の性別は、
”男の体”で生まれ、
自分を「男」と認識している「男」がいて。
”女の体”で生まれ、
自分を「女」と認識している「女」がいる。
性別2元論で考えられている。
2つ目に。性的指向というものは、
男は女を、女は男を、愛することが
普通で常識であるという概念しかなかった。
性的指向 少数派
同性に恋愛感情を抱く
レズビアン(L)、ゲイ(G)といわれる同性愛者、男性にも女性にも恋愛感情を抱く
バイセクシュアル(B)両性愛者。
ジェンダー・アイデンティティ 少数派
生まれ持った身体とは異なる性別であると自身を認識し、その性別違和に悩むトランスジェンダー(T)と言われる人々。
ジェンダー・アイデンティティや、性的指向は人それぞれのもので、個人のアイデンティティの一部。正解も不正解もない。
みんなと同じ一人の人間である。
異なるアイデンティティを持つ人がお互いを尊重する。それこそが多様性。
LGBTQ+とLGBT。何がちがうの?
LGBTについての概念ががわかったところで、
なんでLGBTに「Q+」が追加されたのか?
では、さっそく解説していきます!
Q+には多くの性的マイノリティが含まれている
性的マイノリティは日本ではだいたい「LGB」くらいは理解していても、
「TやQ+」に関してはまだ正確に理解していない人が多いのではないでしょうか?
L「レズビアン」女性同性愛者
G「ゲイ」男性同性愛者
B「バイセクシャル」両性愛者
T「トランスジェンダー」
性自認と身体の性別が一致しない人
トランスジェンダー事態には性別は含まれていない。
「FTM」femme to men
トランス男性
=女性の身体で生まれた男性を自認する人
「MTF」men to femme
トランス女性
=男性の身体で生まれた女性を自認する人
Q+「クエスチョニング」「クィア」
更にマイノリティな性的少数者が世界には多く存在しています。
「+」にはその多くの人々を包括します。
性的マイノリティ用語がわかるサイト
LGBTQ+ Wikiへようこそ! https://lgbtq.fandom.com/ja/wiki/LGBTQ%2B_Wiki
“Q”は、「 Questioning 」と「QUEER」
ジェンダー・アイデンティティってイマイチよくわからないんだけど?
ジェンダー・アイデンティティは、日本語では「性自認」とか「性同一性」といわれてるけど、感覚的に誤解を招いたり、わかりずらい言葉なんだよね。
普段使わない言葉はわかりずらいよ。
結局どういうことなの?
心の性別と例えることもあるよ。
生まれ持った身体の生物学的な性別を箱として考えるならば「自分の中の性別をどう感じているか」って言ったらわかりやすいかな。
なるほど。だから身体の性別と心の性別が一致しないっていうことがおきるのか!
そうだね。その一致しない人をトランスジェンダーというよ。
クエスチョニングは、自分のジェンダー・アイデンティティや、性的指向を模索中or決めたくないという人たちのことだよ!
そういう概念があるんだ!自分のジェンダー・アイデンティティなんて考えたこともなかった!
スマホをみんなが持つようになって、自分の性自認と性的指向についてモヤモヤしている人が大勢いることがわかったし、誰でも簡単に調べて情報を得ることができるなんて羨ましい時代だよ!
たしかに。
自分の周りの人には、ちょっと聞きづらい内容だからこそネットで調べられるのは便利だよね!
LGBTQ+と「クィア」
クィア。意味わかって使ってる?
専門家によるクィアについての解説
COSMOPOLITAN
「クィア」という言葉は実際には何を意味するのでしょうか?専門家がその歴史を解説
クィアの2つの意味とは?
①シス・ヘテロ以外の人々を包括するワード
「シスジェンダー」=性自認と身体的な性別が一致している人と、
「ヘテロセクシュアリティ」=異性を性的指向の対象とする多数派のこと。
LGBTQ+視点の”じゃない人々”の総称。
つまり、シスヘテロに対して、LGBTQ+を包括したグループ全体にコミュニティとしての連帯感が生まれる言葉。
②ノンバイナリーと同等の意味
自身の性自認を男女二元論に当てはめないという考えを持つ人のことをジェンダー・クィアとして使うこともあります。
「クィア」を気軽に使うべきでない理由
語源は偏見との戦いの中で生まれたから。
もともと「風変わりな」「奇妙な」という意味の言葉で、ゲイ男性やトランスジェンダーに投げかけられる「ヘンタイ」「オカマ」という侮辱表現でもありました。
「私達、クィアだけど。何か?」の精神
それを逆手に取って、当事者が性的マイノリティ全てを包括する言葉として抵抗運動(クィア・ムーブメント)や連帯の合言葉として自己肯定的に「クィア」を用いるようになりました。
クィアの歴史
1980年代のエイズ禍の時代、政府の無策によって何万人、何十万人ものゲイ・バイセクシュアル男性たちがなすすべもなく亡くなっていくなかで、レズビアンやトランスジェンダーも一緒になって立ち上がり、「ACT UP」のような直接的な抗議運動が米国や欧州で起こります。
引用 https://www.outjapan.co.jp/pride_japan/glossary/ka/9.html
そうしたエイズ・アクティヴィズムから、クィア・アクティヴィズムが派生しました。黙っていては殺される(「沈黙は死」)、これまでのような穏健なやりかたではだめだ、性的マイノリティが一致団結し、声を上げ、闘っていかなければ。
そんなクィア・アクティヴィズムの合言葉は「We are here, We are queer. Get used to it.(私たちはここにいるし、私たちはクィアなのよ、それに慣れることね)」でした。
異性愛規範に無理に自分を合わせようとしたり隠したりするのではなく、異性愛者が理解できないようなセクシュアリティを生きているけどそれがどうした?と、ある意味、開き直り、ポジティブに表現していくスタンスです。
LGBTQ+になった理由
マイノリティの連帯感を強くするワード
クィアという言葉が使われた時と同じように、性的マイノリティはとても細分化しているので、マイノリティ全員で連帯をとり、取りこぼされる人がいないことが重要です。
ナゼ連帯をとるの?
マイノリティの人々は社会のマジョリティから長い年月虐げられてきました。
性的マイノリティであることが社会では不利に働くことが多いのが現状です。
同士が一つにまとまることで大きなチカラになるという意味合いが込められています。
性的マイノリティ同士でも全く異なるから
ゲイやレズビアンはシスジェンダーである定義なので、トランスジェンダーの人の気持ちを完全に理解することは難しいかもしれません。
他にも様々なマイノリティがいて、それぞれ異なるジェンダー・アイデンティティや性的指向を持つ人々がいます。
ですが、性的マイノリティの同士であることには間違いないのです。
クィア(ジェンダー・クィア)の種類
2つあるうちの、ジェンダー・アイデンティティとしてのクィアを説明していきます!
ジェンダー・クィアと似たようなジャンルで混乱しがちなワードの違い
●ジェンダーレス
●アジェンダー
(Aジェンダー、エイジェンダー)
アジェンダー vs ジェンダーレス
ジェンダークィアの種類
●ニュートロワ
・・・ジェンダーが中立しているか、または存在していない方で、自らが第三の性であると考える
●アンドロジン
・・・一人の個人の中に割合は様々だが「男性と女性が共存」または「中性」の方
●バイジェンダー
・・・状況及び心理的な理由で1つのジェンダーから別のジェンダーに流動的に移行が行われる
●トライジェンダー
・・・バイジェンダーにひとつ別のジェンダーがプラスされた
●パンジェンダー
・・・自分の中に「全てのジェンダーを有している」
●ジェンダーフルイド
・・・1つのジェンダーからさまざまなジェンダーへ変化する
クィアではない人を表す言葉
異性愛者が自分達を一般的とした場合、自分達以外は性的少数者という言い方になるため、逆にLGBTQ+視点から見たそれ以外の人を表す言葉という意味。
ヘテロセクシャル
・・・異性愛者。対義語:同性愛者
シスジェンダー
・・・生まれ持った性別と性自認が一致している。対義語:トランスジェンダー
LGBTQ+を利用する “クィアベイティング” とは?
あの映画、あの有名人も?!
つまり、LGBTQを表現の中に利用することで、消費者を「釣る」行為を指しているのです。
映画シャーロック、ネトフリ配信ののウェンズデー、アリアナ・グランデ、ハリー・スタイルズ、ビリー・アイリッシュ、などの有名人、日本のアニメの一部の百合表現などがクィアベイディングではないか?と疑問視されている件。
こんな考え方もある
i-D ハリー・スタイルズへのクィアベイティング批判をやめるべき理由
Q+まとめ
最後までお読みくださりありがとうございます!
最後に要点をまとめておきます!
Q+はLGBT以外にも存在する数えきれない多くのマイノリティの人々を包括するためにLGBTQ+になった!
Q+はクエスチョニングとクィア2つの意味がある!
クエスチョニングはジェンダー・アイデンティティに迷っている人や決めたくないとする人のこと。
クィアの言葉の起源は侮辱の言葉だった。
エイズ流行の背景にLGBT一眼となって抗議運動をしたことをきっかけに自分たちを皮肉った言葉を逆手にとってポジティブな意味として同士を包括する言葉として使うようになったのがはじまり!
ジェンダー・アイデンティティは持って生まれた性別とは違う概念で認識する自分の性別。
自分自身の心で感じている性別と自分の外見の性別は一致してますか?