【LGBTQ+】性別の違和感いつ気づく? カミングアウトせずに自分らしさを表現できるジェンダーレス制服とは?

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自分らしいジェンダーレス制服とは?
制服の調整。ジェンダーレス制服とは?アンガス・チャンによる「PROJECT UNI-FORM」

台北発!生徒×先生でデザインした「ジェンダーレスな制服」に学ぶ。

「自分らしい制服」とは?

画像出典 VOGUE TAIWAN

この記事はこんな人にオススメ!

●女の子として生まれたけど女子の服は違和感しかなくて男子の服が着たいと思った。

●物心ついた時、異性向けのおもちゃで遊ぶことが好きだった。

●女性らしく、あるいは男性らしく振る舞うことに違和感や嫌悪感がある。

●言葉にうまく表せない自分の性別に関するモヤモヤする気持ちがあった。

●中学校の制服のスカートを履くことに違和感を感しかなかった。

●男子として生まれたけど、メイクにすごく興味があるのは変?

●思春期に女性らしく、あるいは男性らしくなってくる自分の身体に嫌悪感や違和感を強く感じる。

目次

自分の性別について考えたことはありますか?

性別とはなにか?
ジェンダー
セクシュアリティ

「自分の性別なんて考えるまでも無い!」と思う方のほうが多いのかもしれません。
でも、今自分のジェンダー観に違和感や疑問を持ったり、セクシャリティに悩む人が多いことを知っていますか?

性別は「男」「女」だけじゃない。

性別に対する”モヤモヤ”の正体

性別に関しての違和感も近年では様々なタイプがあることがわかっています。

生まれ持った身体の性心の性が一致しない”トランスジェンダー”
「男女という枠に当てはめたくない」「決めたくない」模索中という”クエスチョニング”
「性別は男女二択ではない」と考える”ノンバイナリー”
「性別の話をするのも嫌だし、考えたりとかも無理」性別がない。本当の意味で”ジェンダーレス”

性別の違和感いつ気づく?

昭和はランドセル。平成は制服?

ランドセルは多様性へ

昭和生まれの私の時代は「女の子は赤」「男の子は黒」と決まっていたランドセル。
私が違和感の壁にぶち当たった最初の出来事でした。

ランドセルは時代と共に進化を遂げます。
豊富なカラバリの中から性別に関係なく好きな色を選ぶことができる!

ランドセルが性別の違和感の壁になる時代は終わりました。


2023年の最新人気はランドセルは”ジェンダーレスくすみカラー”


時代はジエンダーレスランドセルへと進化しています。
男女どちらでも使えるシンプルなデザインへ。

画像: https://item.rakuten.co.jp/harnessel/mz-shp/

ジェンダーレスランドセル


性別による二択は「ジェンダー」について考えるチャンス

制服”という名の壁

ランドセルの壁が感じられなくなると次にやってくるのは”制服の壁”です。

公立の小学校は私服で自分の好きな服を着れるので理由は人それぞれですが、物心ついた頃からスカートが苦手でズボンしか履いていない女子は中学入学にあたり困惑するかもしれません。

2021年の学校選挙プロジェクト調べでは女子のズボン制服採用率は全国平均44,4%となっています。

6割の学校がLGBTQの生徒・児童の服装に配慮:制服にもジェンダー・フリー発想 
出典:nippon.com

娘の学校の制服が2022年から女子もズボンを選ぶことができるようになりました。

同じ市内でも学校によって女子がズボンを履くには学校に許可をもらわないといけないところもあり、残念ながら足並みはそろっていません。

制服を選ぶことがカミングアウトになる?

ジェンダーレス制服はトランスジェンダーの為の制服なの?

制服の多様性の目的ってなに?

ジェンダーレス制服は性の多様性に配慮されて誕生しました。

当初、ジェンダーレス制服の目的は、性の多様性への配慮。

つまり、スカートを着用しなければならないトランスジェンダーの女生徒へ向けた配慮という印象が強くありました。

トランスジェンダーとは?
生まれ持った身体の性心の性が一致しない人のこと。


配慮することが逆効果になること

それって、「ズボンを選んだ子はトランスジェンダー?」に繋がってしまう可能性があります。

”思わぬ誤解を招いたり””予期せぬカミングアウトに直面してしまうことは避けなければなりません。


男子がスカートを選ぶ難しさ

また、多様性に重点をおきすぎてしまうと、女子の身体に生まれて心が男子への配慮はあるのに、男子の身体で生まれたけれど、心が女子への配慮がないことになってしまいます。

男子がスカートを選ぶというのは”望まぬカミングアウト”をするも同然です。

ジェンダーレス制服を望まない人もいる

選べる制服や、昔ながらのセーラーや学ランをブレザータイプに変更するなど、良いことのように感じます。
が、望んでない人も勿論います。

多様性(ダイバーシティ/diversity)とは?
ある集団の中に異なる特徴・特性を持つ人がともに存在すること

ジェンダーレス制服は多様性に配慮することが難しい理由

ジェンダーレス制服とは?
文字通り「性別という概念がない制服」ならば1つのデザインを男女関係なく着ることなのではないでしょうか?

多様性を配慮してのジェンダーレス。
多様性ならば全ての人に対して尊重されるべきです。

機能性を追求して選択肢がひとつしかなければ、没個性。

みんな一緒なのでカミングアウトになることもありません。
ですが、ジェンダーレスに不満を持つ人もいます。


全員がジェンダーレス制服を望んでるわけではない

強要されるのではなく、自発的に女性らしさ”や”男性らしさ”に憧れを持つ人も当然います。
韓国っぽい今どきなかわいい制服であったり、昔ながらのセーラー服に憧れている子もいるわけです。
男子でも、伝統的な学ランの男らしい制服に憧れを抱く子もいるかもしれません。

性差を感じさせないジェンダーレス制服で全ての多様性を包括するというのは至難の技です。

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制服の「実用性」が「多様性」に繋がる!

様々な取り組みから制服の未来を考えてみる

斬新な取り組みをする子もいる!

2021年にNHKで放送された僕がスカートをはく理由

番組内でスカートをはいて登校している男子高校生が紹介されていることを知り日本にもこんな自由な校風の学校もあるのだと知りました!

画像出典: NHK

スカート男子
僕がスカートをはく理由

LGBTQ+当事者では無い久保さんがスカートで登校するという「男らしさ」「女らしさ」への挑戦という取り組みはポリティカル・コレクトネスにも繋がるこれからの時代に必要な大切な「何か」なのかもしれません。

ポリティカル・コレクトネス・・・人種、宗教、性別などについて偏見、差別的な表現をなくそうとする概念。


実用性として取り入れてみる

学校制服でズボンを選べるようになった学校が10年間で6倍になっていますが、実際に着用している”ズボン女子”はまだ少なく着用していると注目されることも度々あるようです。


私の娘は現段階で特にジェンダーについて悩んだり違和感はありませんが、冬場は防寒対策としてズボンをはいて登校しています。
暑い季節はスカートです。

ズボンを選択できるようになった初年度ということもあり”ズボン女子”はまだ数える程度しかいません。
冬になり暖かさという実用面でズボンを着用する女子が増える可能性もあります。

登下校にすれ違う大人や小学生に”ズボンをはいている女子が普通にいる”ことの印象付けは非常に意義があると思います。
制服を気軽に選べる自由があるという雰囲気づくりはとても重要です。

ジェンダー・アイデンティティに関係なく

「動きやすいからズボンを選ぶ」
「温かいからズボンを選ぶ」
「涼しいからスカートを選ぶ」

実用性の選択が当たり前になれば自分の性自認を他人にカミングアウトせずに制服を選べる雰囲気づくりに繋がっていくかもしれません。

それが当たり前になれば性的マイノリティであることが制服を選ぶ時の足かせになることもなくなるはずです。

ジェンダーの意識についての問題をあっさりと解決してしまうのは性別問わず機能性や実用性に重点を置いた制服なのではないでしょうか?


企業の取り組みにヒントがある

2020年LCC航空のジェンダーレス制服が話題になったのはご存知でしょうか?

男性の乗務員たちにも既存のユニフォームに関しては不満がありました。

(女性乗務員の外見に対して)男性乗務員の服はデザインもかわいくないし、ネクタイをきつく締め、不便な靴を履かなければいけなかったのです。服装、ヘアスタイル規程に対する不満は女性、男性みんなにあったのです。

https://www.huffingtonpost.jp/amp/entry/aero-k-genderleess-uniform-interview_jp_5f1f7beac5b69fd473108c69/

画像出典:
HUFF POST LCC航空「Aero-K」の制服 

LCC航空「Aero-K」の制服

スカート=女物はもう古い?! 

袴をイメージするようなキュロットスカート

日本の着物は基本的には男女共通の形で着こなしや、布の柄などで男女差をあらわしていました。
袴のようなイメージならば誰でも抵抗なく着れるのかもしれません。

男性でも違和感なく着用できるスカートが印象的なシュウウエムラのユニフォーム

男性でも違和感なく着用できるスカートが印象的なシュウウエムラのユニフォーム。

凛とした和風の要素と、スポーティな雰囲気の融合が今っぽくて◎

画像:WWD JAPAN

「シュウ ウエムラ」がジェンダーレスでサステナブルな新制服を発表 
「ウジョー」の西崎暢がデザイン

ジェンダーを超えて自分を表現できる制服

近年、台湾はアジアで初めて同性婚の合法化をするなど、ジェンダーにおいて革新的な存在になりつつあります。

アンガス・チャンの制服コレクションにはこれからの制服に必要なヒントが詰まっています。

女性らしい制服、男性らしい制服に、どちらでもOKな制服を自分で選択し、組み合わせできるというのは画期的だと思います。

アンガス・チャンによる「PROJECT UNI-FORM」

11のコレクションから、ジェンダーを超えてそれぞれが「個人」として好きなアイテムを選び、自由にスタイリングし、自分らしさを表現できる制服を提案。

2020年秋、VOGUEファッション・ウィーク

画像出典 
台北発!生徒×先生でデザインした「ジェンダーレスな制服」https://dowellbydoinggood.jp/

アンガス・チャンによる「PROJECT UNI-FORM」

Angus Chiang Project UNI-FORM https://www.adsoftheworld.com/campaigns/project-uni-form

日本のこれからの制服はどうなる?

カンコー学生服 SCHOOL SOLUTION FAIR 2023

「子どもたちの未来と、魅力ある学校づくり」をテーマに、ミライ、マナビ、らしさ、コミュニケーションの4つ切り口でこれからの制服を提案。

カンコー学生服。制服の多様化。ジェンダーレス制服。多機能制服。

画像出典 日本教育新聞

「制服」は品質重視だけでなく、子どもたち一人一人の多様性に寄り添った魅力ある商品を生みだすことが求められており、そのニーズは「体操服」にも波及している。

本展示会の総合テーマになった「Think with」には、そんな子どもたちの未来のためにできることを一緒に考えたいという想いが込められている。

https://www.kyoiku-press.com/post-251653/


動画では制服のこだわりポイントなどを説明しています!

PR TIMES
【開催レポート】未来を見据えた制服・体操服が一堂に「SCHOOL SOLUTION FAIR 2023 Think with」開催 
多様性やジェンダーレス、サスティナブルな視点で

トンボ学生服 トンボ1129デザインコンクール

2010年より制服・体育着のデザイン画を募集する

「トンボ1129デザインコンクール」を開催しています。

画像出典:トンボ制服

性差を感じさせないデザインに、選べる選択肢をを増やす、LGBTQ+アドバイザーの意見を取り入れた女性向けスラックスなど、独自の視点で新しい制服づくりに取り組んでいる。

トンボ学生服 ジェンダーレス制服への取り組み https://www.tombow.gr.jp/school/original/genderless/

制服を安く手に入れるには?

制服リサイクルとセットで取り組む必要性

一式購入すると高額になる制服。
バリエーションが増えても制服にそんなお金かけれないよ!という声が聞こえてきます。

制服リサイクルとは?

PTA主催で、学校内で卒業生の不要になった制服を回収し、希望する人に譲るとても画期的な取り組みです。

娘の学校でもその取組があり、1アイテム1コイン程度でズボンを購入できました。(金額設定や条件は学校により様々だと思います)

制服のバリエーションがあっても、1着1万円前後の制服をいくつも買うのは経済的に負担です。

制服は「必要最低限しか買わない」というのも最もな意見なので、制服リサイクルとセットで取り組むのが好ましいと思います。

まとめ

最後まで読んでくださりありがとうございました!

私自身の性別に対してのモヤモヤの始まりが赤いランドセルでした。

子供のランドセルを選んだ時。
子供の制服を買う時に女子用ズボンがあると知った時。

自分の時代とは大きく変わったんだなー。と、悔しくも羨ましくも思いました。

今のランドセルの多様性が凄いなと関心したのと、制服に関するニュースを聞いてモヤモヤしていた時にこの台湾の制服を見てハッ!とさせられ記事を書くことにしました。

ジェンダー観の問題と制服は、今のところ切り離して考えることは難しいと思います。

制服の壁がなくなるのは、組み合わせを選べる制服が当たり前になる頃かもしれません。

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